遺伝子組み換え食品は表示でわかる? 安心できる選び方のポイント
遺伝子組み換え食品に関する不安と正しい知識の必要性
お子様の健やかな成長を願うお母様方にとって、毎日の食事は特に気を遣うものだと存じます。スーパーマーケットで食品を選ぶ際、「遺伝子組み換え」という表示を目にして、一体どういうことなのだろう、安全なのだろうかと、不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。SNSやママ友との会話の中で、様々な情報が飛び交い、何が真実なのか判断に迷うこともあるのではないでしょうか。
このページでは、遺伝子組み換え食品に関する皆様の疑問や不安を解消できるよう、国の定めた表示ルールや、科学的な根拠に基づいた安全性の考え方、そして安心して食品を選ぶための具体的なポイントについて、分かりやすく解説いたします。
遺伝子組み換え食品の「表示」を知る:日本のルールと消費者の理解
日本では、消費者が遺伝子組み換え食品を識別し、購入する際の判断材料となるよう、食品表示法に基づき表示ルールが定められています。このルールを理解することが、遺伝子組み換え食品への不安を軽減する第一歩となります。
1. 表示義務の対象となる食品とは
現在、日本では主に大豆、とうもろこし、なたね、じゃがいも、アルファルファ、てんさい、パパイヤの7作物と、これらを原材料とする加工食品の一部に遺伝子組み換え表示が義務付けられています。
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表示が必要なケース:
- 生鮮食品: 遺伝子組み換えされた大豆やとうもろこしがそのまま販売される場合、その旨が表示されます。
- 加工食品: 遺伝子組み換えされた農産物を主な原材料とし、加工後も遺伝子組み換えされたDNAやタンパク質が残っていると確認できるものには、表示が義務付けられています。例えば、遺伝子組み換え大豆をそのまま使用した豆腐や納豆、遺伝子組み換えとうもろこしを使用したコーンスナックなどがこれに該当します。
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表示が免除されるケース:
- 遺伝子組み換えされた農産物を原材料としていても、醤油や食用油のように、高度に精製され、加工工程で遺伝子組み換えされたDNAやタンパク質が除去されてしまう食品は、表示義務の対象外となります。これは、科学的に遺伝子組み換え成分が含まれていないと判断されるためです。
- また、意図せずに遺伝子組み換え農産物が混入してしまった場合(特定の基準値以下)も表示は免除されます。
2. 「遺伝子組み換えでない」表示の持つ意味
一部の食品には「遺伝子組み換えでない」という表示が見られます。これは、その食品が遺伝子組み換えされた農産物を使用していないことを示しています。具体的には、遺伝子組み換え農産物が5%以下しか混入していない場合に表示が許されています。これは、生産・流通の過程で非遺伝子組み換え農産物に遺伝子組み換え農産物が意図せず少量混入する可能性を考慮したものです。
遺伝子組み換え食品の「安全性」について:科学的根拠と公的機関の見解
遺伝子組み換え食品が市場に出回るまでには、非常に厳格な安全性の評価と承認プロセスを経ています。
1. 日本における安全評価のプロセス
日本では、遺伝子組み換え食品の安全性は、内閣府に設置されている食品安全委員会によって専門的かつ科学的に評価されます。 この委員会は、食品の健康への影響に関するリスク評価を行う独立した機関です。具体的には、開発された遺伝子組み換え食品が、アレルギー誘発性、毒性、栄養価、遺伝子の安定性などに問題がないか、詳細なデータに基づいて厳しく審査されます。 食品安全委員会で安全性が確認された後、厚生労働省が食品としての承認を行います。この承認がない限り、日本では遺伝子組み換え食品の流通・販売は許可されません。
2. 国際機関の見解
国際的にも、遺伝子組み換え食品の安全性については多くの科学的機関が評価を行っています。
- 世界保健機関(WHO)および国連食糧農業機関(FAO)は、遺伝子組み換え食品が市場に出る前に行われる厳格な安全性評価を経ていれば、従来の食品と同等に安全であると見解を示しています。これらの機関は、遺伝子組み換え食品が世界中で20年以上にわたり広く消費されてきた実績があることにも言及しています。
- 欧州食品安全機関(EFSA)や米国食品医薬品局(FDA)なども、承認された遺伝子組み換え食品の安全性について、科学的根拠に基づき問題ないという見解を公表しています。
これらの国内外の評価機関は、長年の研究と広範なデータに基づいて、承認された遺伝子組み換え食品が人の健康に悪影響を及ぼすという科学的根拠は認められないとの結論に至っています。
安心できる食品選びのポイントと誤解されやすい点
遺伝子組み換え食品に関する正しい知識を持つことで、日々の食品選びに自信を持てるようになります。
1. 具体的な選び方のポイント
- 表示を確認する: 加工食品では、原材料表示の欄に「遺伝子組み換え」と記載されているかを確認しましょう。特定の原材料について記載がない場合は、表示義務の対象外か、非遺伝子組み換え農産物を使用していると考えられます。
- 「遺伝子組み換えでない」表示の意味を理解する: この表示は、遺伝子組み換え農産物を使用していない、または混入率が5%以下であることを示しています。より確実に避けたい場合に参考になります。
- 生産情報を確認する: 一部の商品は、ウェブサイトなどで使用している原材料の詳しい情報を公開している場合があります。
2. 誤解されやすい点への理解
- 遺伝子組み換え=危険ではない: 遺伝子組み換え技術は、特定の目的のために遺伝子を改変する技術であり、それ自体が危険であると断定できるものではありません。安全性は、個々の遺伝子組み換え食品ごとに厳しく評価されています。
- 農薬との関係性: 遺伝子組み換え作物の中には、除草剤に強い特性を持つものもありますが、これは必ずしも農薬使用量が増えることを意味しません。むしろ、特定の種類の農薬の使用を減らすことにつながる場合もあります。遺伝子組み換え技術と農薬の使用は別々の問題として捉えることが重要です。
まとめ:科学に基づいた選択で、お子様とご家族の食卓を豊かに
遺伝子組み換え食品について、表示のルールや科学的な安全性の根拠を理解することで、漠然とした不安を具体的な知識に変えることができます。日本の食品安全委員会や厚生労働省、そしてWHOやFAOといった国際機関が、厳格な審査を経てその安全性を確認していることは、信頼に足る情報として受け止めて良いでしょう。
お子様の健やかな成長のためにも、感情や憶測に流されることなく、科学的根拠に基づいた情報を基に、ご自身の納得のいく食品選択をなさってください。知るGMOは、これからも皆様の食卓に安心をお届けできるよう、正確な情報を提供してまいります。