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遺伝子組み換え食品はアレルギーや病気の原因になるのか? 科学的根拠に基づく見解

Tags: 遺伝子組み換え食品, 安全性, アレルギー, 病気のリスク, 科学的根拠

遺伝子組み換え食品について、「アレルギーを引き起こすのではないか」「特定の病気の原因になるのではないか」といった不安を感じる方は少なくありません。特に、お子様の健康を考えるお母様方にとって、食の安全性は非常に重要な問題です。SNSや口コミで流れる情報に触れる中で、何が真実なのか判断に迷うこともあるでしょう。

この記事では、遺伝子組み換え食品がアレルギーや病気に与える影響について、科学的な根拠と公的機関の見解に基づき、分かりやすく解説いたします。

遺伝子組み換え食品とアレルギーの関係

遺伝子組み換え食品がアレルギーの原因になるという懸念は、多く聞かれる疑問の一つです。しかし、遺伝子組み換え食品の安全性は、開発段階から厳格に評価されており、アレルギーへの配慮もその評価項目に含まれています。

食品安全委員会などの公的機関では、遺伝子組み換え食品の安全性評価において、導入される遺伝子によって作られる新しいタンパク質が、既存のアレルギー物質と類似していないか、あるいはアレルギー反応を引き起こす可能性がないかを詳細に調べています。もし、アレルギーを引き起こす可能性が少しでも疑われる場合は、食品としての流通は認められません。

現在、日本国内で流通が承認されている遺伝子組み換え食品は、全てこうした厳しい審査基準をクリアしており、アレルギーに関して懸念される要因は確認されていません。世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)も、遺伝子組み換え食品の安全性評価のガイドラインにおいて、アレルギーリスクの評価を重視しています。

遺伝子組み換え食品と特定の病気(がんなど)のリスク

「遺伝子組み換え食品を食べると、がんなどの特定の病気になるのではないか」という懸念も耳にすることがあります。この点についても、世界中の科学者や公的機関が長期にわたる研究と評価を行っています。

これまでに行われた多くの研究では、適切に承認され、市場に流通している遺伝子組み換え食品の摂取が、がんやその他の慢性的な病気のリスクを高めるという科学的根拠は確認されていません。例えば、欧州連合(EU)のプロジェクトでは、過去25年間に実施された130以上の研究をレビューし、遺伝子組み換え作物が従来の作物よりも大きなリスクをもたらすという証拠は見つからないと結論付けています。

日本においても、厚生労働省や食品安全委員会が遺伝子組み換え食品の安全性を評価する際には、毒性試験や栄養学的評価に加え、長期的な摂取による影響についても、既存の科学的知見に基づいて慎重に検討しています。これらの評価を経て、安全性が確認されたものだけが流通を許可されています。

遺伝子組み換え食品の安全性を確保するための体制

遺伝子組み換え食品は、その開発から流通に至るまで、国際的な基準に基づいた厳格な安全性評価が行われています。日本では、厚生労働省が食品としての安全性を、農林水産省が飼料としての安全性を、環境省が生物多様性への影響をそれぞれ評価しています。これらの評価は、専門家による科学的な知見に基づいて行われ、独立した機関である食品安全委員会がその妥当性を確認しています。

この多層的な評価体制により、私たちは安全性が確認された遺伝子組み換え食品を摂取することができています。

日常生活での遺伝子組み換え食品との向き合い方

現在、市場に出回っている遺伝子組み換え食品は、安全性について確認されているものですので、過度に心配する必要はありません。私たちが日頃口にする大豆やトウモロコシなどを原料とする加工食品の中には、遺伝子組み換え作物が使用されているものもありますが、これらは全て厳しい審査基準をクリアしています。

遺伝子組み換え食品かどうかは、食品表示によって確認できます。義務表示の対象となるのは、大豆、トウモロコシ、なたね、ばれいしょ、わた(油のみ)の5品目と、これらを主な原材料とする33品目の加工食品です。消費者の皆様がご自身の選択に基づき食品を選ぶことができるよう、適切な情報提供が行われています。

まとめ

遺伝子組み換え食品がアレルギーや特定の病気を引き起こすという科学的な根拠は、現在のところ確認されていません。世界中の公的機関や科学者が厳格な評価を行い、その安全性を確認しています。

お子様の健康を第一に考えるお母様方にとって、食の安全性は常に最優先事項であることと存じます。しかし、遺伝子組み換え食品に関して流布する様々な情報の中から、科学的根拠に基づいた正しい知識を得ることが、皆様の不安解消につながるものと確信しております。知るGMOでは、今後も科学的根拠に基づいた正確な情報を提供してまいります。